DIY USBオーディオキット(上海問屋 DNSB-84839)の組立と改造
AKIB PC Hotline! で紹介されていた上海問屋のDIY USBオーディオキット(DNSB-84839)を購入・組み立てました. バスパワーで動作するデジタルオーディオ(S/PDIF)出力の小型モジュールは実験に便利なので記事を見て早速購入した次第です. USB接続のデジタルオーディオ・インターフェース・モジュールはクロックの同期等の問題のために精密な計測などの用途には使いづらいのですが、ちょっとした実験には手軽に扱えて重宝します.
改造してヘッドホンを駆動出来るようにしました.
- この種のキットに慣れた方には組立は難しく無いと思いますが、いくつか注意点があります.
- まず組立には熱量に余裕のあるハンダゴテが必要です. グランド部分のパターンにはちゃんとサーマルリリーフがありますが、それでも30W程度のハンダゴテではスイッチやコネクタの取り付けが難しいでしょう.
- キットに入っていたスペーサー付きのLEDはそのまま組み立てるとケースの穴の位置とずれてしまうので、スペーサーを外してLEDをハンダ付けしました. 自分でケースの穴の位置に合うように調整してください.
- デジタルオーディオ(S/PDIF)出力のピンジャックもケースの穴と位置が合いません. 底部の突起部分を削って高さを下げてやる必要があります. ピンジャックのボディ部分はプラスチックなのでカッターで簡単に加工出来ます.
- パネルを取り付けるケースのネジ穴の一つがバカになっていたので、皿ビスでパネルを固定する際には接着剤を併用しました.
- まあ、これらはガレージ・キットにありがちな問題ばかりで、特に難しい対応が必要となることはありませんでした.
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(左)単三電池と比べて分かる小ささです
(中)LEDはスペーサーを外してハンダ付け
(右)ピンジャックは底部の突起部分を削って高さを下げます
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(左)スペーサー付きのLED
(右)スペーサーを取り外したLED
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(左)改造前のピンジャック
(右)底部の突起を削ったピンジャック
- この製品のミニジャックの出力はライン出力になっていますが、改造してヘッドホンを接続出来るようにしました. キットに使用しているLSI PCM2704はもともと負荷32Ωで12mWの出力があり、ヘッドホン駆動を想定した仕様になっています. ただし、キットの回路はライン出力用に出力段のコンデンサに容量の小さなものを使っているので、このままではヘッドホンを接続しても低域がカットされたシャリシャリした音になってしまいます.
- 改造は1μFのコンデンサC24とC25を、220μFのものに交換するだけです. コンデンサの耐圧は10V〜16V程度のもので十分です. これで、ヘッドホンを繋いでもまずまずの音で鳴ってくれるようになります.
- あるいはC24、C25を省略して、C24/C25の取り付けパターン部分をリード線の切れ端でショートさせるだけでもかまいません. C18/C20(100μF)があるので、C24/C25を省略しても出力に直流電位は重畳しません.
- 上記の改造はあくまでも自己責任でお願いします.