AC電源ライン・ノイズ除去用RCスナバ回路
注意! このページでご紹介している回路は大変簡単なものですが、部品の選択等を誤ると使用者の生命・財産に危害が及ぶ事故が発生する可能性があります. 当社ではこの回路の安全性についていかなる保証も出来ません. 書いてある内容と安全性の問題についてきちんと理解できる方のみ、自己責任で製作してください.
製作したRCスナバ回路(ACプラグをケースにしています)
冷蔵庫の電源を取っているのと同じコンセントに挿して使います
- ACアダプタ電源(非安定化出力)のマイク・アンプを使って実験していると、隣の部屋の冷蔵庫のコンプレッサがオフになる時にAC電源ライン経由でパルス的なノイズがアンプ出力に混入します. この問題を解決するために、AC電源ノイズ除去用のRCスナバ回路を製作しました. 回路はACプラグの中に入れて、冷蔵庫が電源を取っているのと同じコンセントに挿して使っています.(下図参照)
- パワー・エレクトロニクスの専門家の方からは「これじゃ靴下の上から足に水虫の薬を塗るようなものだろう」と笑われるかもしれませんが、オーディオ帯域に飛び込んでくるノイズ除去にはちゃんと効果があります. (本来はノイズ発生源である冷蔵庫内部のコンプレッサ直近に取り付けるべき回路です)
- マイクアンプ出力に混入するコンプレッサ停止時の大きなパルス性ノイズは無くなりました. 不思議なことに完全にノイズの無い日と、ノイズを取り切れずに小さなクリック音が出る日があります. 室温・周囲温度によるコンプレッサの運転状況の違いにより、ノイズの出方が変化するようです. とりあえず実験中にビックリするような大きなノイズが混入することは無くなったので、作った甲斐がありました.
- 回路は下の回路図のように大変簡単です. 使用部品はコンデンサ、抵抗、バリスタ、それとACプラグの4ヶだけです. コンデンサがパルス性ノイズを吸収します. バリスタは過電圧からの保護用です.
- コンデンサは0.1μF、耐圧AC250Vのメタライズド・フィルム・コンデンサ、抵抗は100Ω(2W)の酸化金属皮膜抵抗を使用しています. バリスタは270V〜330V程度のものを用いてください. 適切な規格のものを入手できなければ、バリスタは省略してもかまいません.
- コンデンサはAC100Vラインに直結して常時電流が流れる安全上非常に重要な部品です. 可能であればULなどの安全規格の認定品を使いたいところです.
- 一つのパッケージにコンデンサと抵抗が入っているRCスナバ・モジュールを入手可能であれば、それを使うのが一番安心です. 電源スイッチなどに取り付ける小型のものがあるのですが、最近はパーツショップの店頭ではあまり見かけません. 通販では共立エレショップやマルツが扱っているようです. 法人向けの電子部品通販から入手可能な製品(日本製、海外製)もあります.
- 回路は丸いゴム製のACプラグ(パナソニック WF7215K)の中に組み込んでいます.(ページ上部の写真参照) 安全上は必用のある時にだけ使用して、そうでない時はコンセントから抜いておくのが無難です.
RCスナバ回路 rc_snubber.pdf