ストリップボード

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国内ではほとんど知られていませんが,海外ではわりとポピュラーな一種のユニバーサル基板(ストリップボード)を用いた回路製作方法です.
以下の内容はトランジスタ技術CQ出版)2005年7月号の記事(253〜255ページ)でご紹介したものです. 詳しくはトランジスタ技術誌の記事をご覧下さい.

ストリップボード基板を使った簡単な電子工作例が下記のwebにあります. 平易な英文ですので,誰でもたやすく理解できるはずです.
http://www.kpsec.freeuk.com/stripbd.htm
http://www.kpsec.freeuk.com/proj.htm


ストリップボード基板と専用カッター

ストリップボードと専用カッターストリップボード基板と基板のパターンをカットするための専用カッター

RSコンポーネンツから入手可能です. 残念ながら現時点では店頭で販売しているお店は無いようです.

ストリップボード基板 : 品番 433-826, 434-217 etc
ストリップボード用カッター : 品番 543-535 



専用カッターの代わりにドリル歯を使うと、歯の食い付きが良すぎてあまり綺麗に仕上がりません.
代わりに使うなら下の写真のようなドリル穴のバリ取り用・座グリ用のツールの方が良いと思います. お値段はそれなりですが、本来の目的のためにも備えておいて良いツールです.


ストリップボード基板を用いた製作過程

[パターンカット済みストリップボード]専用カッターでパターンをカット,バリ取りのための研磨をした後の基板(基板下面/銅箔面)

銅箔面はパターンがすだれ状につながっているので,専用カッターで切断します.

ストリップボード基板裏面(銅箔面)部品実装・半田付け後の基板下面(銅箔面)

ストリップボード基板上面(部品面)基板上面

上手にレイアウトすれば被覆電線を使った面倒なジャンパ配線はほとんど使わすにすみます. ただし,裸線(スズメッキ線等)を用いた配線の本数が多くなります.

レイアウト図面上記の基板製作例のレイアウト図面

リングオシレーターを使ったLED点滅回路(回路図)です.(まったく実用的ではありません)


ストリップボードで回路製作をする場合,事前にきちんとレイアウト図を作成して部品配置・配線を決めておかなければなりません. 実験しながら回路修正を加えて基板を作りあげるような使い方は出来ません.(いわばトップダウン設計を強いる基板製作手法です) 実装密度を上げることが困難なので大規模な回路の製作にも向きません. 

一方,小規模なマイコン基板製作などには最適です.(ソルダーレス・ブレッドボードで動作確認をしてから,ストリップボード基板を組み立てればよいでしょう)

教育機関などで完成見本やレイアウト図をもとに複数の人が同一の基板を製作をする場合などにも適していると思います.


[部品の斜め実装例]このような部品実装をしてもかまいません. 部品がブラブラするようならば,接着剤やホットグルーで固定すればよいでしょう.


ストリップボード専用設計ツール

LockMaster画面ストリップボード専用レイアウト・ソフト
LockMasterABACOM 社)

紙と鉛筆を使ってストリップボードのレイアウト図を作成するのは結構手間のかかる仕事です. 市販の専用レイアウト・ソフトを使えば気軽に作業できます. LockMasterには簡単な結線チェックの機能などもありなかなか便利です.(下記のwebより評価版のダウンロードが可能です)

http://www.abacom-online.de/uk/html/demoversionen.html

他にもフリーソフト,シェアウェアのストリップボード用レイアウト・ツールがいくつかあるようですが,LockMasterが一番使いやすいと思います.

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