冷蔵庫の振動・騒音対策(防振ゴムの使い方)
- ダイニング・キッチンでスピーカーとマイクを用いた音響実験をしていますが、キッチンの冷蔵庫からの騒音が邪魔になることがあるので対策をしました.
- 市販の防振ゴムを用いたのですが、製品の説明書きがちょっとおかしかったので、少し工夫をした上で正しい使い方をしました. 同様に冷蔵庫の振動・騒音対策で困っている方の参考になると思います.
- 冷蔵庫の振動・騒音の発生源となっているのは内蔵されているコンプレッサ(一種のポンプ)です. コンプレッサは防振ゴムで支持されているのですが、経年変化でゴムは劣化します. そうすると冷蔵庫本体の振動によって発生する騒音だけでなく、床材からの騒音発生も顕著になります. 冷蔵庫本体と比較して、軽量で扁平な床板は低音を発生する振動板として理想的な(?)特性を持っているので、隣の部屋まで響く騒音を発生します.
- コンプレッサの劣化した防振ゴムを素人が取り替えることは出来ないので、冷蔵庫の足の下に防振ゴムを敷いて床振動の対策をするしかありません.
- 防振ゴム
- 市販されている黒色の防振ゴムの中には固すぎるものが多いようですが、冷蔵庫の荷重に耐えられそうで適度に柔らかい(弾性のある)製品を見つけました.
製品仕様には硬度55と書いてありますが、これは防振用のゴムの中ではかなり柔らかいもののようです. 当然、耐荷重特性は劣るので、非常に重いものを載せる場合は複数枚使用する必要があります.
- 残念ながら製品の説明書きがいいかげんなので、正しい使い方をする必用があります.(後の説明のように必ず木板を併用してください)
- 大きさは 100mm x 100mm x 厚さ10mm です. メーカーの型番は WG-01-100 です. 色違い(白色、茶色)の製品もあるようです.
- 耐震マット
- 防振ゴムよりもさらに柔らかい耐震マットを併用します. 地震発生時の家電製品等の落下・転倒対策用品として百円ショップで販売されていたものです. 以前から振動対策にも使えるのではないかと気になっていた製品です. 同様の製品がパソコンの周辺機器・サプライ品メーカーなどからも販売されています.
- 見た目はゲル状ですが、材質は熱可塑性ポリウレタンと書いてあります.
- 大きさは 40mm x 40mm x 厚さ5mm です. 防振ゴム1枚と耐震マット4枚を組み合わせて用います.
- 木板
- 冷蔵庫の荷重を防振ゴム全体に分散させるために木板を使います. 冷蔵庫の重さに耐えられる固さと厚みのあるものを選んでください.
- 防振ゴムの説明書きにあるように直接 冷蔵庫を防振ゴムの上に載せたのでは、冷蔵庫の足がゴムにめり込むだけで振動対策の効果が得られません.
- 防振ゴムと同じ大きさの四角形の板材を使いたかったのですが、適当なものが見つからなかったので円形のものを用いました.
- 組立というほど大げさなものではありませんが、下図のような組み合わせで使用します.
- 1枚の防振ゴムの上に耐震マット4枚を敷き詰めます. 一番上に木板を置きます.
- 大型の冷蔵庫の場合は、組み合わせる防振ゴム、耐震マットの数を2倍〜4倍にしてください.
水平に並べて使って一枚あたりに加わる荷重を減らします.
- 冷蔵庫本体の振動の根本対策にはなりませんが、かなり効果的に床振動を減衰させることが出来ました. 間の戸を閉めてしまえばダイニング・キッチンのダイニング側では冷蔵庫の騒音はほとんど気になりません. 弾性の異なる防振ゴムと耐震マットを組み合わせた効果は確かなようです.
- 冷蔵庫から発生する騒音には、内部の棚板や冷蔵している瓶・缶の共振によるものもあります. これらに関しては薄いゴム板や柔らかいクッション(例えば梱包材のプチプチ)等を用いて対策して下さい. 冷蔵庫のドア内側下部のポケットに入れた瓶、缶の振動による騒音発生に関しては、下にダンボールを敷くだけでも効果があります.
- 冷蔵庫やエアコンの室外機のような重量物の振動・騒音対策は技術的に難しいものがあります. 音響学の分野でも重量床衝撃音は一つの研究テーマになっています.(人間も重量物の一つです)
- 冷蔵庫の奥の方の足に防振ゴムを敷くのが大変であれば、下図のようなものを前後2組作ってみてください. 冷蔵庫を載せた後、所定の位置まで滑らせて移動することが出来ます.
- ただし、地震の際には冷蔵庫が吹っ飛んできて大怪我をする可能性があるので、ちゃんとした対策が必要です.(手前側の足に敷くものには家具滑らせシートの代わりに薄いゴム板を張るなどすれば良いでしょう)