トランジスタ技術誌記事補足:簡易AC電力計の製作
■節電の工夫のために電気製品のAC電力測定を必要とされている方へ
家電量販店やパソコンショップでも販売されているデジタル表示の電力計を使うのも一つの方法ですが、DIYをされている方ならばアナログ表示のクランプメーターとAC電流測定用のアダプタ(ラインセパレータ、ラインスプリッタ)を用いるのも良いでしょう. 厳密な電力測定は出来ませんが、アナログメーターで直感的に消費電流の変動を調べるのには最適です.(デジタル表示のクランプメーターもあります)
トランジスタ技術(CQ出版)2009年9月号に掲載された記事「簡易AC電力計の製作」(225〜228ページ)の補足説明です. AC電力測定をされる際の参考にしてください.
- 測定精度について
- 記事の簡易AC電力計の測定精度は良くありません. 簡易型とはいえ一応は測定機材なのですから、本来は精度がどの程度なのかを明らかにすべきなのですが、あえて記事ではその点には触れませんでした. 電源ラインは公称AC100Vですが、この電圧そのものにも誤差・変動がありますので、カレント・トランスを用いた電流測定による簡易AC電力計の測定精度はお察しください.
- 精度の問題があるためにマイコンを用いたデジタル表示の回路にはせず、記事ではアナログ・メーターで消費電力変動をリアルタイムに観察する機材としてご紹介しました.
- 市販の電力計
- 近年、家庭への太陽光発電(売電)の普及などにともない電力測定計器の需要が増していて、複数のメーカーから専用LSIが販売されています. 電力測定専用LSIはマイクロプロセッサを内蔵し、電圧波形とカレント・トランスを用いてセンスした電流波形の両方をA/D変換して正確な電力測定をおこなうことが可能です.(皮相電力だけではなく、実効電力、積算電力、力率等の計測も可能)
- 精密な消費電力測定をされる場合は、これらの専用LSIを用いた市販の電力計をご利用ください. パソコンショップ、家電量販店などで容易に入手可能な製品としてはワットチェッカーTAP-TST7(サンワサプライ)があります.
- 単電源パワーアンプLSIの電源回路への応用