ANCの原理の簡単な実験方法

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実験に必要な機材

実験に用いたステレオ・スピーカとパワーアンプスピーカ2ヶとアンプだけでANCの原理の簡単な実験が出来ます. アンプはモノラルのものでかまいませんが,スピーカは特性の揃ったステレオ用のペアを使ってください.


 
スピーカのセッティング

スピーカのセッティング方法やり方は写真のように,アンプの出力に並列接続した2つのスピーカを向かい合わせにセットするだけです.(写真の下に写っているのは消音効果測定用のマイクです)

音源は何でもかまいませんが,再生周波数帯域の広いオーケストラ曲や低音のレベルの大きいロックやポピュラー系の音楽を使うと消音効果が分かりやすいと思います.


 
スピーカの同相接続

[スピーカの同相接続]2つのスピーカを同相接続すると,スピーカの出力が強めあいます.(消音にはなりません)


 
スピーカの逆送接続

[スピーカの逆相接続]2つのスピーカを逆相接続すると消音になります. 片方のスピーカが騒音源,もう一方が逆位相の打ち消し音源の働きをします. アクティブ消音の原理そのものです.

2つのスピーカの間隔を離すと消音効果は低下します. 消音効果が低下するのはスピーカから放射される音が球面波状に広がって,波面の重ね合わせがうまくいかないからです.

2つのスピーカの距離を変えると,消音効果も変わるのが分かります.


 
消音効果

[同相接続の時と逆相接続の時のスペクトルの比較]音源にホワイトノイズを用いて実験した時に,マイクロホンで録音した波形をFFT分析した結果です.(グラフの横軸が周波数,縦軸が音圧レベルに相当)

 紫色:同相接続 anc_in_phase.wav (430KB)
 水色:逆相接続 anc_rev_phase.wav (430KB)

逆相接続では約3kHz以下の周波数で顕著に音圧レベルが低下していることがわかります. 4kHzよりも上の周波数ではスピーカのコーンのサイズ,スピーカ間の距離と比較して音の波長が短くなるために,波面の重ね合わせによる消音がうまくいきません.

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